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子どもの足に、もっと刺激を!

ハハコトが考える“足育” ②

取材協力/swissies

はだし保育で子どもの感性を育む「東大駒場保育所」に行ってきました!

創立40周年を迎えた東大駒場地区保育所は、自然が豊かに残る東京大学駒場キャンパスの一角にあります。開園以来ずっと「はだし保育」を推奨し、子どもたちに足を動かすことの大事さを教えてきた落合園長に話をうかがいました。

足は感性の入り口。
そして生きる力の土台なのです


ハハコト(以下ハ):東大駒場保育園では子どもたちの「足育」に関して、熱心に取り組んでいらっしゃると聞きましたが・・・。

落合園長(以下落):開園から40年が経ちますが、当初から子どもたちに、はだしで過ごすことを提唱してきました。この保育園では「子どもたちを自然の中で思い切り遊ばせる」ということを方針としています。ですから「足育」という教育的なものを目指していたわけではなく、自然と触れ合うことで子どもたちの五感を刺激したい、と思って始めたことが、結果として「足育」につながっているのかもしれませんね。

ハ:最近は「はだし保育」を推奨する幼稚園や保育園も増えてきているようですが、上履き使用のところもまだまだ多いですね。

落:そうですね。とてももったいないと思います。足は感性の入り口。足を動かし刺激することで、子どもたちが得るものは大きいと思います。砂のザラザラとした感触や濡れた土の柔らかさ、芝生のチクチクした心地よさなど、すべて足から感じるのです。この園の子どもたちは木登りも上手ですよ! 手と足を上手に使って、するすると登っていきます。日頃から足を動かしているので、足の指でしっかり木をつかむことができるんです。園内にある木の柱にも登って遊んでいます。

ハ:お散歩などの外出の際は、子どもたちは草履を履いているとか。

落:そうなんです! 草履は鼻緒を足の指でつかむので、自然と足を鍛えていきます。もちろん目的地の公園などに着いたら、子どもたちはすぐに草履を脱いで遊び始めますが(笑)。

ハ:純粋無垢に遊びに夢中になれるのは、人間の一生の中でも、いまのこの時期だけですものね。子どもたちにとって「遊びの時間」って、大事なんですね。

落:就学前のこの時期に、どんな遊びをどれだけしているかが大事なんだと思います。この園の子どもたちは、天気が良い日は一日のうち、4〜5時間は自然のなかで遊ぶんですよ。しかも往復1時間程度歩くのは当たり前。子どもたちはみんな、いつの間にか、基礎体力が身に付いていきます。そして外で見つけた枯れ木や落ち葉を拾ってきて、園に帰ってから創作アートを始めることもありますね。

ハ:現在の風潮として、子どもの頃から習い事や勉強を熱心に推奨して早い時期から「知育」や「教育」に取り組んでいこうという動きもあるようですが。

落:確かにそうですね。その動きを決して否定するわけではありませんが、「知育」とは決して学術の習得だけを意味しているわけではないと思います。例えば、外で拾ってきた落ち葉に糸を通して飾りを作ることも、子どもたちの脳を大いに活性化させる行為だと思うのです。落ち葉のカタチ、糸と針の使い方、出来上がりのカタチを頭に描きながら落ち葉を繋いでいくことも立派な「知育」になのです。実は卒園生のなかに美術系の大学に進んだ子どもがいるのですが、その子が保育園時代、春に桜の花びらを集めて遊んだり作品を作ったりしたことをずっと覚えていて、そのことがひとつのきっかけとなり、美大で勉強したいと思うようになった、と言ってくれたことがありました。あれは嬉しかったですね。

ハ:いま身に付いた感性や基礎体力は、後に必ず役に立っていくということなんでしょうね。

落:そうですね。子ども時代のいまだだからこそ、感性を育て基礎体力の土台を築くことが大事なんだと思います。

ハ:基礎がなければ応用もないですものね! そう言う意味では、身体の土台となる「足」を鍛えることは大事ですね。

落:大事なことは、「足」を使うことを大事にすることです。足は第2の脳。まさに突き出た大脳なんです。同時に身体を支える土台でもあります。足の指を動かし、足裏に適度に刺激を与えるということは、子どもの成長にとっても大事だと思います。背筋をピンと伸ばし大地をしっかりと踏みしめて歩く。この“歩く力”を通して、子どもたちが豊かな人格を形成し、人生を切り開いていって欲しいと願っています。


武蔵野の自然が残る東大駒場のキャンパス内に1971年開園。以来、「子ども時代を子どもらしく」をモットーに、子どもたちが水・砂・泥と関わる機会を多く取り入れた本物の保育にこだわり続けている。


東大駒場地区保育所
落合秀子 園長

からだコト
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